古民家しみず 広島県三原市本町で2021年3月開設

古民家しみずのカフェ&民泊

 古民家しみずは、広島県三原市本町の築150年余りの旧清水歯科医院を改修し、カフェと民泊とギャラリーを開設します。当面は住宅宿泊事業法に則って年180日を越えない日数で、毎週金・土・日曜日に開きます。

 玄関前に掲げた右の看板のように、三原の歴史と未来をめぐる交流の場――広島海道 早春の港とするのが念願です。古民家しみずの建物は、150年余り前の慶応年間の備後国三原城絵図に描かれており、1945年夏に日本の降伏があと一日遅れたら焼失していたでしょうが、1950年に清水歯科医院開業、1975年に中程の炊事場を二階建ての居宅に増改築、その奥に土蔵が二つ残っています。2012年から空き家となっていましたが、2021年3月にカフェと民泊とギャラリーの三つを開きました。
 カフェ(11:00~15:00)は、瓶缶飲料100円の販売のみ、飲料の購入すら不要の談話室で、名ばかりのカフェです。
 民泊(16:00~10:00)は、和室二間で一組3人まで宿泊できますが、食事の提供はなく、一週間前までEメールで予約を受けます。住宅宿泊事業法(民泊新法、2018年-)による届出を済ませています。
 ギャラリー(16:00~10:00)は、住宅宿泊事業法ゆえ当面は宿泊者限定で、奥の土蔵の手前の蔵を展示室とします。まだ整理不十分ですが、いつか芸術や学問の展示に用いるつもりです。

 2021年3月26日に古民家しみずの開設にこぎつけたのち、カフェを主に開いた一か月の経験から思案を重ねました。ワクチン接種が4月12日から始まるはずだったのに始まらないコロナ禍のなか、宿泊の予約申込みがあっても繰延べしていただいてきましたが、まずは民泊を受ける態勢を整えることにしました。今後もカフェ&民泊(&ギャラリー)のどれをも開くとしても、5月の連休明けからは民泊を主とします。
 なお、古民家しみず開設準備のWebページを2020年11月から開いていましたが、去る3月中旬に別の場所(http://KominkaShimizu.net/index0.html)へ移しました。冒頭の竜王山からの瀬戸内海の眺めだけ残して。三原と本町の歴史と未来について、開設準備の半年間に調べ考えたことを記したページです。
 また、開設目前の3月中旬に開いたHomeページも他の場所(http://KominkaShimizu.net/index1.html)へ移し、このHomeページを更新しました。開設目前のHomeページは、工事資金不足から当初の計画を断念した残念や苦労が滲みすぎていたので、もっとあっさり記してみます。2021.5.9 清水靖久(5.30微修正)

 1.民泊

 古民家しみずの民泊は、旧清水歯科医院の待合室と座敷の二間を宿泊室として用います。
 宿泊は、一組3人まで受けます。食事は提供しません。宿泊料金は、1人6,000円、2人計10,000円、3人計12,000円とします。クレジットカード払いやキャッシュレス払いには当分対応できませんので、現金払いでお願いします。
 宿泊予約は、勝手ながら、一週間前までにEメールで申込んでください。申込日の翌朝までに家主が受付の諾否を返信しますが、その諾返によって予約が成立します。わからないことは電話で尋ねてください(このHomeページ最下部にEメールアドレスや電話番号あり)。
 宿泊予約の可否は、実に原始的ですが、さしあたり右のカレンダー画像で表示します(○宿泊可 ×宿泊不可 △未定 -受付終了)。翌月末までの宿泊の予約を受けます。コロナ禍で不安は尽きませんが、どうぞ泊りに来てください。

 2.ギャラリー

 古民家しみずのギャラリーは、建物中程の1975年の増築部分の奥、二つある土蔵のうち手前の蔵で展示などします。三原市のクラウドファンディング活用支援事業で多額の寄付が集まり、あきらめていた改修工事ができました。しかし住宅宿泊事業法の有権解釈では、住宅を他の事業の用に供してはいけないそうで、ギャラリーを開くなら玄関とは別の入口を設けなければならないとのこと、それなら当面は宿泊者限定の展示室とすることにしました。
 この土蔵ギャラリーは、いつか芸術学問の展示や講座の場として利用に供したいと願っていますが、さしあたり家主が集めた古絵図や清水に残る古写真を展示します。三原と本町の歴史について語りあう材料は種々ありますが、その一つ、最近広島県立文書館で撮影した三呉線図絵の一部を右に掲げます。
 これは1935年の三原~呉の全線開通を記念した吉田初三郎の鳥瞰図で、三原から呉まで細長いのですが、竹原までのこの部分は、本ページ冒頭の竜王山からの眺めを逆方向から見たものです。呉が「この世界の片隅に」の生活を含みながら三原とは対照的な近代の歴史を歩んだことは、図絵左の省略部分が語りかけてきます。

 3.カフェ

 古民家しみずのカフェは、厨房を備えて飲食を提供するカフェとするのが遠い目標ですが、まずは瓶缶飲料を100円で販売する名ばかりのカフェとしました。旧清水歯科医院の玄関入口の診察室(かつてここにも天窓があった1958年頃の治療の光景)を改修し、机と椅子を2組入れ、壁一面の本棚を設置しました。
 飲切りのペットボトル茶や缶コーヒーなどを冷蔵庫に、冬は保温庫に入れておきますので、貯金箱に100円を入れて飲んでください。買わなくても構いません。三原の歴史と未来について、本町や清水の過去と現在について、そのほか何でも語りあえる談話室として利用してください。
 この名ばかりのカフェは、金土日曜日の昼間4時間ずっと開けておくつもりでしたが、さまざまな来訪者があった開設後一か月の経験から、求めに応じて開けることにしました。本町には人気の喫茶店や集会所がいくつもあって、新たな談話集会の場はそれほど需要がないようですし、誰も来ないカフェでじっと待つのは苦にはなりませんが、有益でもなさそうです。
 それでもカフェは、三原市のリノベーション実践塾の改修案以来の柱の一つですので、金土日曜日の昼間は必ず在宅し、求めに応じて開きます。宿泊者のみか地域住民や道行く人々の談話交流の場として活用していただけたら幸いです。
 実際には上記の土蔵ギャラリーがまだ整理不十分なので、そこで展示したかった三原の古絵図や清水の古写真をカフェの襖や壁に吊るしています(右の写真のように)。他方では、これら絵図写真が並んでいるとカフェに入りにくいという指摘もあり、さらに検討してみます。

 4.他の設備など

 旧清水歯科医院の改修案は、2019年秋から三原市のリノベーション実践塾で練られ、2020年9月に工事費が原案の倍とわかってご破算、計画を縮小して再出発しました。つとに三原市の空き家活用モデル支援事業に応募し、さらに市中心部クラウドファンディング活用支援事業にも応募しました。2020年11月から2021年2月まで岩下建設によって改修工事が進められました。
 古民家しみずの宿泊室以外の設備としては、台所・浴室・便所・洗面台・洗濯機・衣類乾燥機・LAN・WiFiなどを新設しました。
 お竈さんや井戸など、建物中程の炊事場にあったものは50年近く前の増築工事で消えました。ただ、増築床下の井戸から中庭に管を引いてポンプで水を汲み上げられたのは、飲料用でなく撒水用ですが、とても嬉しかった。
 建物内は禁煙とさせていただきます。
 駐車場はありませんが、約200m離れた駐車場一画を家主が借りているのを一晩300円で貸します。
 三原駅は、新幹線が止まる広島県内ただ3つの山陽本線の駅であり、呉線の起点駅でもあります。それでも昼間こだま号が一時間に一本止まるだけです。その駅の西口から北西へゆっくり歩いて5分で古民家しみずに着きます。

 古民家しみずの開設は、いくつものメディアで報じられました。全部は挙げきれませんが、FMみはら 2021.3.22 「古民家しみずの完成見学会」。 中国新聞備後版 2021.3.23 「城下町の古民家 民泊に 三原で26日開業 交流スペースにも」。 RCC中国放送 2021.3.26 「古民家を活用 宿泊施設オープン 広島・三原市 空き家対策も」。 読売新聞備後版 2021.4.10 「幕末の古民家 民泊施設に 三原 駅から5分 談話室も整備」。 その前には、中国新聞備後版 2020.2.14 「明治の面影 観光拠点へ 元歯科医院の古民家活用」。 毎日新聞備後版 2020.12.15 「古民家再生 CFで ギャラリー併設の民泊施設へ 目標300万円、来春オープン見込み 三原/広島」